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Memento mori (メメント・モリ…死を忘れない)

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小岩井農場(5月8日撮影)



 この前ドライブをしたのはいつだったか。と思うほど「非日常」が続いている毎日。
 日曜に行った雫石は、福島を思わせるのどかさと自然の美しさが、やけに悲しく映った。

 ある日突然、日常を喪ってしまうことの苦痛と悲しみ。

 最近は、取り残された動物たちのことでざわざわと落ち着かない。胸をわしづかみされたかのような…。

 ともすれば傾きがちになりそうな自分に、バランスを取り戻さなくてはと、とりあえず履歴書を書き、提出してみた。そして今日は映画「英国王のスピーチ」を観た。王妃役の女優は…「眺めのいい部屋」の少女だと気づき、あの映画を観たときと今の自分とずいぶん遠いところへ来てしまったなあとぼんやり思う。「ブラック・スワン」とどちらにしようか一瞬迷ったのだけど。今の自分的には「英国王…」のほうかなあと。

 頭の隅に気にかかることがあり、心の底から楽しむことはできなかったけれど。イギリス映画はやはり好きだ。俳優陣の顔立ちというかいでたちが醸し出す雰囲気と画面のほの暗さがいい。

*****

 朝日新聞に「カラマーゾフの兄弟」のことが書かれていた。
 卒論でこの作品を取り上げたのだけど、何をどう書いたかはまるで覚えておらず。ただ、十代の頃、この作品を読み終わった夜、「そうか! わかった!」と、人生のすべてがわかったような気になってなるほどそうかと、うなりながら部屋の中を歩き回ったことは覚えている。何がどうわかったのかは忘れてしまったけれど。
 あんなふうに、熱にうなされるように本を読むことはこの先あるのか。


生きているということは、死に近づくということにほかならない。
いかに生きるかとはすなわち、いかに死ぬかということ。
死を忘れるな。そして、善く生きろ。
著者のメッセージだ。


 当時は確かに、無神論者のイワンではなく、信仰心あついアリョーシャのほうに気持ちが向いた。

 今は? 

 どう死ぬかを思い、毎日を生きる人は少ないのではないか。「人生は素晴らしい」とぼんやりとは思うものの、突然、生を終えざるをえなかった人たちのこと、人間を信じて待ちながらも息絶えた動物たちのことを思うと、たまらない。
by amemiyataki | 2011-05-11 23:51 | 日常
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