<< 母の日に 平日終わり >>

生命あるものは皆、同じ

 10日付の朝日新聞の文化欄一面に、第12回手塚治虫文化賞受賞作品が報じられていた。短編賞に大島弓子さんの「グーグーだって猫である」が選ばれていた。まだ選ばれていなかったの? と意外だったのと、選考委員評が萩尾望都さんだったのに、しみじみしてしまった。

 受賞にあたっての作者のコメントが、またじわりとくる。

「生命のあるものは皆、人と同じ感情を持つと確信するようになりました。これまで、いかにそれらを無視してきたことかとも。これからも猫たちとの生活をいつくしみながら、ゆっくりと描いていけたらと思っております」


 現在、13匹の猫と暮らしているという。そういえばつい最近、NHKの「生活ほっとモーニング この人にときめき」だったかでフジコヘミングが出ていたけれど、この人の家には20匹超の猫+犬が一緒に暮らしているという。

 愛猫との日常を描いたエッセー風の作品。長く連れ添ったサバの死に始まり、グーグーとの出会い、自身のがん治療と再びの日常へ…。

 「包み込むような言葉と優しい描線。幸福感ただよう作品は、一方でシビアな洞察力を併せ持つ。だからこそ、生命あるもののよろこび、そして別れのかなしみが、いっそう深く感じられるのだろう」

 すべて実際に起きたことなので、ストーリーづくりに四苦八苦することはない。記憶の中から芋づる式に出てくるものを楽しく描いています。

 この人の作品には、ずいぶんと長い間、たくさんの感動を与えてもらった。その人が、野良猫を世話し、保護し、不妊去勢手術のために病院へ連れて行き、必死になって里親を探す。ハラハラさせられながらも、拳を握り締め、息を詰めて、「頑張って」とエールを送りながら、また自分も励まされる。

 誰にでも、野良猫を一匹でも減らそうとその気になりさえすれば、誰にでもできること。

 そう。生命あるものはみんな同じ感情を持っている。ささやかなことに喜び、ちょっとしたことに怒り、やりきれなさに哀しみ、ふとした瞬間を楽しむという。
 行き場のない猫をつくることがないように。私たち人間にはできることはたくさんある。不妊去勢手術を行うこと、捨てないこと、いじめないこと。
 シンプルなメッセージをたくさんの人が真摯に受け止めて実行する世の中でありますように。

a0099350_0175471.jpg

猫の目に映る世界が美しいものでありますように


by amemiyataki | 2008-05-11 00:43 | 日常
<< 母の日に 平日終わり >>