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永遠の0(ゼロ)

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64年前のあの日の空は、どんなだったろう



 8月、終戦・お盆の時期は、私なりに神妙になる。折しも、テレビで「硫黄島からの手紙」を見た。
 「父親たちの星条旗」は見ていないが、監督のクリント・イーストウッドはフェアな人だなあとつくづく思った(アメリカ人は「フェアであること」「アンフェア」にこだわる、そんな印象がある)。誰かが、もしこれを日本人監督が描いたならば、もっとウェットな作品になっていたのではないか、というようなことを書いていたが、そうだよなあと思う。見る者に考えさせる余白がある、というか。

 ベトナム戦争を描いたオリバー・ストーンの「プラトーン」にも圧倒されたが、あの映画には日本人は出てこなかった。だから、ジャングルの蒸し暑さを感じながらも、客観的に見ることができた。「西部戦線異状なし」は様式美にこだわったようなラストシーンが強烈で、あまりほかのことは記憶にない。「硫黄島…」は、それらとは違うかたちで心に届き、残った。


 第二次世界大戦で亡くなった日本人は330万人ともいわれている。

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 ラジオで、この時期ぜひ読んでほしい本として「永遠の0(ゼロ)」を紹介しているのが耳に留まり、さっそく本屋に行き、購入。神風特攻隊として亡くなった祖父のことを孫たちが調べていく。祖父・宮部久蔵を知る人々を訪ねるが、ある者は「あいつは臆病者、卑怯者だった」といい、ある者は「優秀な飛行機乗りだった」という。果たして祖父の実像は…。
 何より、南方戦線の悲惨さがこたえた。数で圧倒するアメリカに挑む日本。どう見ても、勝ちの見込みはないとわかっているのに、それでも戦闘をしなくてはいけない日本軍。

 たとえば、飛行機に乗って戦闘するのに耐えられる時間はせいぜい1時間半。だが、彼らは3時間かけて戦地に飛び、正味数十分戦闘し、また3時間かけて基地に戻る。それを毎日毎日繰り返さなくてはいけない。対するに、アメリカ軍は一度戦闘に入ったら後方に回り、数週間の休暇を得ることができる。いくらゼロ戦が世界最高峰の戦闘機だとしても、物量ともにはるかに上回るアメリカに勝てるわけがない。加えて、エリート海軍将校たちの、保身による作戦の間違いの積み重ね…。

 この戦争が終わったのは、ほんの64年前のこと。そして、今も世界のどこかで戦争は繰り広げられている…。
by amemiyataki | 2009-08-28 02:42 | 日常
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