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黒猫スティの話

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廊下でのびる



 この週末は残暑?てな具合に暑かった。たきはだら~んとのびているか、寝ているか。
 小屋の軒下にできたでかい蜂の巣を退治。
 母の眼鏡が壊れたので、めがね屋に。

 バイトはあともう少し。私の解雇は産休明けの準社員復帰のための玉突き人事…みたいなことも囁かれているみたいだけれど、要はやっぱり経費削減。ただそれだけのことなのだと思う。あともう少し。

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9匹の眠る猫



 雑貨hinaから、開店記念セールのお知らせメールが届き、実に久しぶりにお店に行く。以前この店で、暮しの手帖のガラスコップを2個買い、母がもっと欲しいと言っていたので、それを買う予定だった。が、もう扱っていないという(前に買ったのは…3、4年前?)。代わりに…と目に留まったのが、大橋歩さんイラストの、このお皿。2枚購入。10%オフ。

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バナナとくるみのケーキ



 ちょうど、母が(唯一作れる)ケーキを作っていたので、記念撮影。岩手の郷土お菓子の「雁月(がんづき)」みたいだけれど…。素朴でおいしい。レシピは江島雅歌さん

 もうひとつ、お店で本を購入。てくり別冊「te no te」 いわ「てのて」しごと―crafts&products。南部鉄器、漆器、ホームスパン…など、岩手の手仕事16作品の紹介。とてもいい。

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 今年年末、クリスマス頃~新年の2週間、イギリス・ロンドンへ旅行! というマイフレンズはいませんか?
 彼の地で猫2匹と暮らすご一家が日本に帰省。その間、住み込みで猫の世話をしてくれる人がいたら…と、ご相談をいただきました。もし該当の方がいらしたら、連絡ください。




 直接関係ないけど。私が生まれて初めて、きちんと猫に接したきっかけというのが、こうした「住み込み」だった。
 父を看取るつもりで盛岡へ戻り、そのまま盛岡で暮らすことを選んだものの、東京での仕事に未練たらたらだった、あの頃。幸運にも、続けて仕事をしてほしいというオファーもあり、ウィークリーマンションを借りて月のうち半分は上京して仕事をしていた。
 どこにも落ち着きどころを見つけられないでいた当時、仕事仲間のKさんが、夫婦でスペインに3週間、旅行に行くから、その間、うちのマンションに住んでくれないかしら、わが家の息子の面倒を見てほしいの…と声をかけてくれた。
 わが家の息子、というのが、黒猫のスティーリー・ダン。スティだった。当時、7、8歳だったと思う。目も開かない、ほんのちび猫だった黒猫をKさん夫妻が拾い、ミルクをのませ、育ててきたという。

 猫への接し方がまったくわからない私に、K氏がドライフードのあげかたはこう、トイレの片付けはこうなど、丁寧に教えてくれた。犬のように散歩しなくてもいいというのがありがたかったし、なんだか思った以上に簡単に思え、なにより、タダで3週間も住める魅力に勝てなかった。Kさんとはそれほど親しいわけでもなかったというのに。Kさんも、よく私に声をかけたものだ。唯一、自分は猫に好かれるだろうかという不安はあったけど。

 不安は、的中した。おとな猫だからおとなしいし聞き分けがいい、手間がかからないわよ。そうKさんは言っていたけど。見知らぬ私が急遽同居人となったことに、人間の言葉を話せないスティは、行動で抗議したのだ。

 住み込み2日目だったか。

 K夫妻が帰ってこない、これはいつもと違う。この人間は誰だ?

 スティは不満と不安でいらだっていたのだと思う。

 帰宅すると、居間のホットカーペットの上には、スティのうんちがあった…。
 こうした場合の対処法は聞いていない。猫のうんちを拾ったことはそれまでなかった。それに、疲れてもいた。なんだかすべてが面倒だ。ひどいことに、その夜はそのままにして、別部屋で眠った…。

 しかし、誰かが片付けなくてはいけないとしたら、自分しかいないわけで。ティッシュを何枚も何枚も何枚も重ねて、それを片付け…熱湯を浸した雑巾で叩き、拭き…。
 その間、かたわらでスティはじっと黙ってこちらを見ていた。そして次の瞬間。
 片手でカーペットを「かきかき」し始めたのだ。
 自分もまた、一緒にきれいにしようとしているかのように。 
 まるで、自分が悪いことをしたのを謝るかのように。

 「あんたも、悪いと思ってる?」
 黒猫は何も言わない。
 「ごめんね、Kさんたちは今、スペインなのよ。いやだろうけど、3週間、我慢してね」

 それが通じたかどうかはわからない。
 けれど、その出来事をきっかけに、スティとの間の距離がほんの少し、縮まったような気がした。

 スティの粗相は、それっきりだった。

 それからは、楽しかった。何もかもが新鮮だった。
 一日のうち、猫はほんのちょっと、甘えたい時があること。
 何かのきっかけでスイッチが入り、ダーッを部屋を駆け回ること。
 淡い春の陽射しの中、アップライトピアノのてっぺんで居眠りをするスティ。
 長い尻尾が機嫌よさそうに、ゆらゆらと揺れる。
 耳を撫でられるのが好きなこと。
 ときには、ちくわとなまり節が必要なこと。
 玄関まで迎えに来てくれること。
 
 猫にも感情があり、こちらが思う以上に賢く、純粋であること。

 西荻窪の商店街の雰囲気も楽しかった。少し、盛岡に似ていた。
 おそらく、高度経済成長期に建てたかのような年季の入ったマンションは、どこか落ち着く雰囲気があった。


 たきに出会う、2年ほど前の話。
 
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黒猫スティ



 今も懐かしい、黒猫。

 ありがとう、スティ。


 
by amemiyataki | 2009-09-07 02:02 | 日常
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