花は咲く

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住む人がいなくなっても、季節がめぐると花は咲く。

本当なら、この花を愛でる人はほかにいるのに。

いつも、こうした美しい風景を見るたび、何か申し訳ない気持ちになる。

(福島浜通りにて)
# by amemiyataki | 2014-06-03 07:19 | 日常

写す

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岩手県立美術館



人生初のバリウム体験。

午前中、会社の健康診断があり、午後出社。

健診が終わって会社に行くまでの時間、どうしても行きたかった植田正治さんの写真展に行った。


平日の県美は人が少なく、とてもいい時間を過ごすことができた。

あの空間はいいなあ。


植田さんの「砂丘モード」の写真を知ったのは、二十代の頃。
それが日本の、鳥取砂丘で撮ったものだということに驚き、加工しないトリックのような撮り方に驚いた。

70代にして、このあくなき挑戦。好奇心。センスの良さ。

ルネ・マグリットの絵画に通じる静謐さと不可思議さ。


ひとつずつの解説を読んでいて。

「ボクは熱心なアマチュアでいたい」「好きなものを好きなように撮る」

撮る人の思いが伝わり、見るものに想像させる。色彩を。物語を。


ふと。白黒の静かな世界が、福島の被災地に似ていると思った。


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余談だけど、県美のショップに猫ものが多くて楽しかった。

紙町銅版画工房さんの一筆箋を購入。

植田さんの写真にも、猫が登場していた。「猫とボク」とか。

奥さんを撮ったものがまた別格で、引き寄せられた。


まさか自分が、これほど写真を撮ることに魅せられるとは思わなかったなあ。
# by amemiyataki | 2014-05-31 08:35 | 日常

初夏を思わせる暑さのなか

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福島県双葉郡浪江町請戸(うけど)の慰霊碑。

町の有志で建てた、慰霊碑。

慰霊碑の左側が海。


慰霊碑の奥、道路をまっすぐ行った先に、通称“いちえふ”がある。


この道の先で昨春保護した「ハニー」という猫が4月末に亡くなった。

保護した時も状態はあまりよくなく、ずっと低空飛行のままだったけれど。

それでも、誰に知られることなく果てずに、にゃんこはうすでルームメイトの猫に見守られ、
スタッフの手厚いケアを受けて、看取ってもらえたことが、本当によかったと思う。

少なくとも、にゃんこはうすにいる間は食べるものに困ることなく、食べることができた。

できれば調子が戻って、もう少し長く生きてくれてもよかったと思うのだけれど。



週末、にゃんこはうすに来たらハニーの姿はなく、荼毘にふされた後の骨壺があった。

山に咲くヤマブキでハニーを飾ったという。


小さな弔いの名残で、かすみ草が花瓶に挿してあった。


この大型連休、旧警戒区域で日中人が入れるところはけっこうな人で活気がある。

“被災地観光”という言葉もあるくらいだから、観光で訪れる人もいるのだろう。


忘れられるのは嫌だけれど……観光というのはやはり違うだろう。

多くの人が命を落としているのだから。

かといって、“ダークツーリズム”というのも嫌だ。


初夏を思わせる暑さのなか、いつものように淡々と給餌し、捕獲器を掛け。

そんな自分は何者だろうとふと思ったりもしたけれど。


5月5日で、福島の被災地に通ってまる3年になる。
# by amemiyataki | 2014-05-03 23:02 | 日常