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第1章 はじめまして

 「翻訳は地獄の苦しみ、天上の悦楽、そして地上の使命」

 こんな格言があるのだそうです。翻訳業に携わるようになって、気がつくと10年、気持ちのうえでは耐えず〈地獄〉と〈天国〉のあいだを行ったり来たりしてきたように思います。

 申し遅れました。私、雨宮朱里(あめみや・しゅり)と申します。児童書等の編集で出版業の〈基本〉をみっちりとたたきこまれ、出版物の校正者としてフリーランスの〈甘くも苦い水の中〉を泳ぎ、現在は故郷盛岡で翻訳の仕事をしております。ジャンルは海外の恋愛小説です。

 英文和訳、といってもただ「横のものを縦に置き換える」わけにはまいりません。たったひとつの単語の訳がぴたりとはまらずに苦しめられることほぼ半日、ということもしばしばです。確実にやってくる締め切りの恐怖におびえ、こんなことなら1日○ページのノルマをさくさくとこなしていけばよかった……等々、まさに地獄の苦しみを毎回味わいます。

 おのれの非力をのろいつつも、店頭で自分が訳した本を手にとったときの喜びはひとしおです。「よし、次もがんばろう。もっとがんばれるはず。まだまだやれる」と自分に言い聞かせ、無上の喜びにつかの間ひたります。

 翻訳業をなりわいにする者の日々のつぶやきに、しばし耳を傾けていただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。


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by amemiyataki | 2011-04-13 23:13 | 翻訳雑記
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