人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< 第6章 タイトルは難しい~ネー... 第4章 はじめての外国語 >>

第5章 移り変わりは人の世の常……

 私が駆け出しの編集・校正者だったころはまだ、「手書き原稿」が主流でした。ゲラ(校正刷り)も電算写植で、中には文字どおり「活字」を使った活版印刷物もありました。「味のある」校正者泣かせのクセ字も今となっては懐かしい。万年筆で書かれた直筆原稿に「文学のにおい」や「作家の息遣い」を感じ、校正に苦労しながらも創作の世界に身を置く人々にひそかに憧れたものです。

 時は移り、翻訳の仕事をするようになってからの私の「商売道具」は、ワープロでした。初代はディスプレー表示が7行くらいしかない、タイプライターのようなもの。3台買い替え、2年前にノートパソコンに。フロッピー入稿が当たり前になってきたご時勢でした。誇張ではなく、ページがばらばらになるまで引きまくった研究社の英和辞書「リーダーズ」も電子ブックに姿を変え、今はCD-ROMを使用しています。

 電脳世界へ足を踏み入れてよかったと思うのは、言葉の検索がとてもラクになったこと。たとえば原書に「Baywatchに出てくるような容姿」とあれば、インターネットの検索エンジンで「Baywatch」を打ち込みます。そうか、水着が似合う美男美女が出てくる海外ドラマのことね、と関連サイトをネットサーフィンして納得。また、小説の舞台がセーシェル諸島であれば、やはりセーシェル関連のホームページを検索して、地形や気候などの特色をつかみます。

 ただし便利な半面、ネットのヘビーユーザーになり、何時間も同じ姿勢でいるために腰痛持ちになるという弊害もありますが……。運動しなきゃ。


第5章 移り変わりは人の世の常……_a0099350_2335844.gif

by amemiyataki | 2011-04-13 23:32 | 翻訳雑記
<< 第6章 タイトルは難しい~ネー... 第4章 はじめての外国語 >>